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20194/9

「建築家住宅」はなぜかっこいいのか?(前編)

「建築家住宅」はなぜ金太郎飴を切ったかのようにみなカッコよくおしゃれなのだろうか?結論からいえば建築家の設計・デザイン作業というもののベクトルはなんと「住宅を住宅らしかないように創る」というひねくれた方向性をもっているからなのだ。

確かに「建築家住宅」にも「窓」はあるし「屋根」もあるし「ドア」もある。素直な子供が「おうち」を描くと決まってとんがり三角屋根で正方形の「田の字」型の窓があり、屋根は赤か青で色塗りされ、気のきいた子供ならば煙突も描く。誰がみても「おうち」だと理解できる一種の「記号化」されたイメージがおうちにはまとわりついているので、どんな子供でも描けるのだ。ちょうどテレビの「サザエさん」のおうちの姿がおうちのイメージとして正しく記号化されたすがたであろう。

しかし、にもかかわらず、ショッキングなことに、みんな実はサザエさんの家をかっこいいとは思っていない。以前建て主の小学生のお子さんに玄関引き戸をみせて「ガラガラってサザエさんちみたいで嫌だ!」と言われたことがある。少し悲しかったです。それは引き戸を拒絶されたからではなく「今の小学生はすでにサザエさんの家を嫌だと思っている」という現実を目の当たりにしたからだ。だからといってみんながみんな建築家住宅の建て主予備軍であるかというと、そういうわけではない。サザエさんの家を「洋風」にショートケーキのように飾り立てて、玄関は引き戸でなく大きな片開き戸が付いていれば「お姫さま気分」でひびを過ごせると思っている人は、決して建築家住宅には手を出さずにハウスメーカーへと流れていくからである。

つまり「建築家住宅」がカッコよくおしゃれなのは、サザエさんの家にまとわりついた住宅的記号を上手に剥ぎ取り、住宅らしくない単なる「白い箱」であるとか「ガラスの箱」さらに抽象的に言いかえれば「モノそのもの、物質そのもの」へと住宅を還元しようとしているのだ。たとえ玄関引き戸であったとしても、そこからサザエさんの家のイメージを剥ぎ取り「単なる一枚の板がある、たまたまそれが動いて人が出入りできるだけ」で、出入りのことよりも本当は「そこにただ在ること」のほうがその「板」にとっての生き甲斐であるかのようにその「板」に振舞わせたことが「建築家住宅」の設計の流儀なのである。その彼らの流儀は「モダニズム」という20世紀思想の一部に由来しているものであり、その言葉は「建築家住宅」のカッコよさを理解するうえで非常に重要なキーワードなので正確を期すために少し引用しておこう。

続く・・・

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