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20194/12

「建築家住宅」はなぜかっこいいのか?(中編)

モダニズム

社会・文化の構造を過去の体系から脱却して、合理主義によって構築しようとする態度。一般的には近代主義と訳され、歴史主義、様式復興に対立するものとされている。狭義には20世紀初頭の反歴史的主義的な芸術・建築・デザイン理論である。20世紀初頭の芸術上のモダニズムは自己の精神のモデルとして「幾何学的構成」「機能」「機械」など措定した。そこに近代社会が拠って立つべき普遍的要素を見出したのだ。」

現在日本で「建築家」と呼ばれる人々の多くは、実はかなり歪んだ建築教育を受けてしまっているのだ。われわれはアジアの極東地域の小さな島国の人間であるにもかかわらず、その時間と空間を超えて西洋の古代ギリシャ・ローマ・中世ロマネスク・ゴシック・近代ルネッサンス・バロック・ロココ・新古典主義、そして産業革命後のモダニズム(=近代主義)という線的な流れの延長線上にわれわれの建築文化があると大学で教育されている。もちろん日本建築史という学習項目もあるがそれは教科書のなかで明治維新も排仏毀釈運動とともにぱたりと終わりを告げられ、当時輸入された「モダニズム」「建築」「建築家」という西洋的な思想のなかへと収歛されていく。1868年に初めて国家という認識を持ちはじめたとき、すでに西洋ではモダニズムという態度が芽生え始めていた。

つまり日本という国はその発足当初からモダニズム的であることを世界から求められたし、その反歴史的な理論によって、寺社仏閣をはじめとする歴史的な遺産を振り返るということを許されなかったのだ。モダニズムという思想が本来は「たった今」という現在的な語源を持っていたにも関わらず、100年たった今でも少なからず影響力を持っているのは不思議なことである。

「たった今」の思想であったはずなのに、現在の建築家たちは歴史的に遡及することを求められるモダニズムの理論を勉強し実践している、そのなかに含まれている反歴史主義という矛盾を孕みながら。つまり今でも新たに建物を設計する場合はすべてモダニズムの理論にもとづいて設計を行う、ということにほとんどの設計者・建築家は疑いを持たずにいるし、「建築家住宅」が一般の人にかっこいいと思われる理由も多かれ少なかれそのモダニズムの論理の一部のデザインメソッドが美意識においてのみはいまだ有効であることを示している。

また、モダニズムという大枠の思想だけでなくそのなかの細かなデザイン的な潮流、たとえばディスティル、バウハウスの理論、シュルレアリスム、ミニマリズム、オーガニックデザイン、ポップアートなどを「手法=デザインメソッド」としてうまく使いこなしているということも「建築家住宅」の特徴である。

続く・・・

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